2015年5月28日木曜日

「大阪都構想」住民投票を考える

[記者・箕浦]

 いわゆる「大阪都構想」への賛否を問う住民投票の結果、「大阪市」の存続が決まり、維新の主張する「二重行政の無駄」の課題もそのままになった。ある人が「大阪市以外の19の政令市は二重行政解消のため政令市を解体することを検討もしていない。府県の権限を市に移譲すればグレーゾーンが生じるのは当たり前でその混乱を調整して最小化するのが行政官の仕事である。その仕事に自己責任で対処できるまともな大人が大阪にはいない」との趣旨の話を新聞に書いている。強烈な個性を持つ政治家が持論でぐいぐい市民を引っ張るという構図はある意味、痛快ではあるが、時間をかけて多数で合意を形成する「民主主義」とは異なるのではないかと団塊の世代の私は思う。いずれにしても結果を受けて、府民・市民の期待に応えられるよう、効率的な行政をすすめる両者の話し合いを早急に行い、民主的に改革を進めて欲しい。

2015年5月27日水曜日

48の瞳

[記者・高砂]

 津々山台の北野博己さんが著書「河内地蔵菩薩二十四霊場を訪ねて」の取材で歩いた50キロ。それは80年以上昔、河内長野市清水の地蔵寺住職・長谷川孝道さんがたどった道でもあった。明治維新の頃に廃寺廃仏の憂き目にあった地蔵24体の健在を、苦労して確認したご住職。ここは鎌倉時代、巡礼者でにぎわっていたという。鎌倉・明治・昭和・平成。24ならぬ48の瞳が見つめてきた南河内の人たちは、どんな願いを託しただろうか。

2015年5月25日月曜日

老人会パソコン教室の取材で

[記者・冨尾]

 槇塚台連合老人会パソコン教室でお会いした女性は、生まれつき視力が悪く、手術をして少し見えるようになったが、パソコンを使いこなすことは夢のまた夢だったらしい。しかし、マンツーマンで指導してくれるこの教室のおかげで使いこなせるようになり、世界が広がった、と。グラウンドゴルフも趣味で、ホールの旗が見えにくいが勘で打ちホールインワンを出すことも。パソコンもゴルフも人一倍の努力の賜物だが、誘ってくれた友人、指導してくれた人に感謝していると微笑んだ。   

2015年5月21日木曜日

犬を飼う責任

 [記者・羽鎌田]

  定例の4月第4土曜日に狭山池クリーンアクションに参加。池南堤の西除川河口付近を清掃した際に、犬の亡骸が浮かんでいた。一緒に活動していた狭山高校軽音楽部の部員はショックを受け、思わず手を合わせていた。犬には首輪がついており、おそらくペットだと思われる。犬が自ら川に迷い込んで溺れたとは考えにくく、犬を飼うのであれば最後まで面倒を見て欲しい。愛犬の最後をそのような扱いをしたことに憤りを覚える。  

2015年5月20日水曜日

ああ、もったいない…?

[記者・杉本]

 子供の成長は早いというが、一気に成長する時期なのだろうか。この春買ったばかりの娘の靴が3足とも入らなくなった。普段用はともかく、外出用にいたっては1度しか履いていない。娘は新しい靴を買ってもらって上機嫌だが、処分する私はもったいなくて手が震えんばかりだ。親として娘の成長を喜ばねばとは思うのだが、いかんせん、モノを惜しむ気持ちが勝ってしまう。悲しい主婦の性だ。


2015年5月18日月曜日

ツバメの巣作り

[記者・黒田] 

 ツバメ達の巣作りが活発になる季節、商店街で様々な声を聞く。「巣が完成したのに撤去され、かわいそう」。「フンがかかるし、低空飛行で危ない」。まさに賛否両論。フンよけを取り付けるなど工夫する店舗もあるが、お客さんに苦情を言われると、撤去せざるを得ないのが現状だ。ツバメは安心できる場所で巣作りをするという。何とか共存できないか。

2015年5月14日木曜日

大人の背中

[記者・浅利]

 スポーツ担当記者だった時、南区駅伝を取材して印象に残ったのが、大人と子供それぞれの頑張りが混成チームの中で、お互いの刺激になっていた様子。それと同じ光景を、先に取材した少年少女合唱団とプロ音楽家の音合わせでも目にした。ソプラノソロを聴いた後の子供の顔つきはきりっとして、声にも張りが出ていた。大人の背中を子供は見ているのですね。

2015年5月11日月曜日

赤字覚悟の新堺市民会館

 [記者・高橋]

 145億円の巨費を投じる新市民会館。堺市の試算では毎年4億円の赤字だ。事業収入は施設の管理費を賄うのが精いっぱいで、事業費と人件費を毎年、税金で補てんすることになる。これがそのまま赤字になり約4億円。旧市民会館は1億円ですんだ赤字が新会館では4倍にハネ上がる。ただし、これは施主・堺市の楽観的な予測だから実際はもっと赤字が膨らむだろう。福祉施設と割り切れば赤字もやむを得ないが、事業施設なら赤字の垂れ流しは余りに無責任だ。

2015年5月7日木曜日

外国人の不法就労

 [記者・野木]

 在留資格がない外国人が働く不法就労は法律で禁止されている。27年1月1日現在の不法残留数は、6万7人(前年比946人増)だった。不法就労させた雇用主も「不法就労助長罪」で処罰の対象になる。外国人を雇用する際は、パスポートや在留カードで在留資格や在留期限を確認し、適正な雇用をするよう、呼びかけている。

2015年5月6日水曜日

交通死亡事故が激増

 [記者・箕浦]

 府下の交通死亡事故が今年に入り前年比1・6倍と激増しており、南区でもすでに昨年1年間と同数(3件)になっている。また最近は「高齢者」が関わる死亡事故の割合が半数を越えているという。統一地方選の影響で例年より1か月遅れで実施される「春の全国交通安全運動」でも「高齢者」に焦点を当てた啓蒙活動を行うようだ。私も高齢者の一人として「交通事故の当事者」にならないよう日々、安全運転を心がけたいと交通安全運動を前にして思う。

2015年5月5日火曜日

退蔵院の瓢鮎図

[記者・藤原]

 臨済宗妙心寺の塔頭(たっちゅう)のひとつ、退蔵院にいってきた。開放された方丈前に瓢鮎図(ひょうねんず)(国宝)の模本が掲げられていた。小さな瓢箪で鯰を捕まえようとする様を描いた日本最古の水墨画である。不可能とも思われるこれは禅の公案で、図の上部に京都五山の高僧31人の賛が記されている。そして、あなたの答えは、と問いかける。もとより解るはずもなく、思案するふりをして、方丈の廊下から枯山水の庭を眺めていた。