2015年5月5日火曜日

退蔵院の瓢鮎図

[記者・藤原]

 臨済宗妙心寺の塔頭(たっちゅう)のひとつ、退蔵院にいってきた。開放された方丈前に瓢鮎図(ひょうねんず)(国宝)の模本が掲げられていた。小さな瓢箪で鯰を捕まえようとする様を描いた日本最古の水墨画である。不可能とも思われるこれは禅の公案で、図の上部に京都五山の高僧31人の賛が記されている。そして、あなたの答えは、と問いかける。もとより解るはずもなく、思案するふりをして、方丈の廊下から枯山水の庭を眺めていた。

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